生活の木ライブラリー

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美味しい薬膳とゆる養生①
~美味しい養生編~

2022.09.03
薬膳料理研究家のパン・ウェイ先生に、移り変わる季節を元気に過ごす、美味しい薬膳とゆる養生についてお話を伺いました。
1回目は、薬食同源や五季五色など、薬膳の基本的な考え方についてご紹介します。

未来の私をつくる 今日の食事と「薬食同源」

「小さいころから食べることが大好きで、おばあちゃんが料理を作るのをずっと傍らで見て育ちました」
パン先生の食のルーツは、"おばあちゃん"。

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(心地よい光が差すパン先生スタジオのキッチン)

毎日の食事、季節の食材、なぜ食事を摂るのかなど、「食事の知恵」のすべては、おばあちゃんから学んだと言います。

「心に残っているのは、今日食べたものが3年後、5年後の自分をつくるという教えです。
今の自分は、今日の食事ではなく、3年前、5年前に食べたものでできている。
そう考えると、自然と一食一食を大切にするようになりました」

とは言え、ときに疲れて、適当な食事になってしまうことも......。

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鮭とねぎのチヂミを料理中のパン先生)

「たまになら適当でもいい、でもそれが続くと、人間が簡単に適当になってしまうとおばあちゃんから教わりました。
中国には、昔から、食べるものすべてが薬になる「薬食同源」という考えがあります。

元気がないときは、食事が適当になりがちですが、元気がないときこそ、この考えに基づいて自分で作ったものを食べてほしい。

冷蔵庫にある食事に、ショウガやニンニクを加えて、スープや鍋を作るだけでもいい。

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(ショウガがやさしく香る葛粉入り卵スープ)

未来の私をつくるのは、今日の私が作る家庭料理、これこそが「薬膳」なのです。」

薬膳は家庭料理 未病を防ぐ、美味しい薬膳と五季五色

薬膳には「漢方の素材となる生薬を使い、病気を治すために作る料理」と、
「生薬ではなく旬の食材を使い、未病(病気に向かう状態)を防ぐために作る料理」の2つがあります。

「私が実践しているのは後者です。旬の食材を旬のうちに、美味しくいただく。
だから毎日続き、元気でいられます。

"旬の食材を旬のうちに"という考え方は、和食も同じ。

ただ、薬膳と和食の違いは、薬膳は旬の食材でなくても、その時季に必要だから選んで摂る点です。

例えば、菊花の旬は8月ですが、薬膳では旬を迎える前の立夏から摂り始めます。
これは、菊が持つ作用が、その時季に必要だから、旬の前に摂るのです。」

薬膳には、春夏秋冬、さらに季節の変わり目になる「土用」を含めた"五季"に合わせて、その季節に合った、
緑・赤・黄・白・黒、五色の食材を摂る「五季五色」という教えもあります。

五季五色.jpg

(画像を選択すると拡大します。)


「日々の食事で五色の食材をバランスよく食べ、特にその季節の色の食材を多く摂ることが大切です。
五色は、五臓、五味、五感のすべてに繋がっています。

まずは、難しく考えず、彩りのある食卓を心がけることから始めてみましょう。」

次の記事では、今日から実践できる、パン先生流「ゆる養生」をご紹介します。

美味しい薬膳とゆる養生② ~パン先生流「ゆる養生」~はこちら

パン先生流美味しい薬膳レシピはこちら

Text by Tomoko Hirakawa

お話を伺ったのは......
【パン・ウェイ先生】
中国北京生まれ。季節と身体をテーマに四季にそった食生活を提唱。旬の身近な素材を使って体調を整えるレシピが好評。
現在は東京・代々木公園スタジオにて料理教室を主宰。「きょうの料理」(NHK)などのテレビ出演や著作活動、講演会ほか、多方面にて活躍中。




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