更年期を乗り越える賢い選択とは、そして、更年期のその先に待ち受ける未来はどうなるのか。
最終回も産婦人科医高尾美穂先生に伺いました。
エクオールとは
エクオールは、大豆イソフラボンを摂取し、腸で代謝されるときに作られる成分で、エストロゲン作用があるとされています。
但し、すべての人がエクオールを産生できるわけではありません。
自分がエクオールを産生できるか、まずは検査キットでチェックしてみましょう。
自分で産生できる場合は、豆類を積極的に摂り、産生できない場合はサプリなどで補います。
生活習慣を整えたり、手軽にできるセルフケアを取り入れてもツライと思ったら、
我慢せずに婦人科へ相談してみましょう。
HRT(ホルモン補充療法)とは
婦人科では状態に応じて、エクオールや漢方、HRTなどを処方します。
HRTは、女性ホルモン「エストロゲン」を足すことで、エストロゲンの減少を緩やかにし、ソフトランディングをさせてくれます。
しかし日本では、HRTに対して、乳がんや子宮体癌になりやすいという誤ったイメージを持つ方が少なくありません。
実際には、乳がんになるリスクは、アルコールを飲む習慣がある人と同程度、
子宮体癌に至っては、むしろなりにくいというデータがあります。
こころのモヤモヤや体調の変化など、少しでも気になることがあれば、ひとりで抱え込まずに相談してください。
ツライときに信頼できる婦人科を見つけておくと安心です。
いつでも婦人科の扉は開いていますよ。
更年期、そしてその先
エストロゲンは、更年期を迎えて一気に急降下するのではなく、アップダウンを繰り返して、減少していきます。
月経があるときは小波、更年期に入ると大嵐のイメージです。
閉経を迎えてようやく大嵐から解放されるのですが、更年期後も、こころとからだの変化が待っています。
今は、HRTをはじめ、様々な手段があります。
だからこそ、正しい知識や情報をもとに、自分に合った方法を選び取ることが大切です。
アロマやハーブもいい。
でも、困っているなら医療や化学を選んでも良いのです。
我慢の時代は終わりました。
自由に、自分らしく、賢く生きていきましょう。
「ひとり不安や我慢から卒業しよう 私たちの更年期」を、もう一度最初から読む
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ひとり不安や我慢から卒業しよう 私たちの更年期②
ひとり不安や我慢から卒業しよう 私たちの更年期③
Text by Tomoko Hirakawa
お話を伺ったのは......
【高尾美穂先生】
産婦人科医・医学博士・スポーツドクター。
女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。
文部科学省・国立スポーツ科学センター 女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバー。
長年ヨガを愛好し、多くのヨガインストラクターを指導。