その道のりが明るくあるように、更年期の正しい知識、セルフケアや賢い選択を4回に渡りご紹介します。
1回目は、更年期のリアルについて、産婦人科医の高尾美穂先生にお話を伺いました。
Q1. 更年期って、いつなの?
A1. 更年期は、閉経前後5年、合わせて10年間です。
閉経とは、卵巣が機能しなくなることで、1年以上月経がない状態。つまり、閉経して初めて、更年期のスタートを知ることになります。
卵巣は、女性ホルモン(エストロゲン)を作る場所です。それが放出されることで排卵が起こり、妊娠しないと月経が訪れます。
月経はエストロゲンの分泌を知る指標なのです。
日本人の閉経中央値は、50.5歳ですが、「40歳を過ぎたら更年期が始まる」と心づもりをしておきましょう。
Q2. 更年期のサインはある?
A2.閉経が目安に。月経をよく観察して。
卵巣機能が終わりに近づくと、月経期間が短くなる、間隔が空く、経血量に増減があるなど、月経のばらつきが出てきます。
いつもとは違う月経の変化が、更年期開始に気づくきっかけに。普段から月経に目を向けておくことが大切です。
Q3. 更年期ってツライの?「更年期障害」、「更年期症状」の違いは?
A3.軽い人、気がつかない人もいます。
例えば、普段まったく遅刻をしない人が1日でも遅刻をすると、かえって目立ってしまうこと、ありますよね。
更年期も同様に、辛い症状が注目されがちですが、実際には、月経のばらつきがある程度で、
「気がついたら更年期が終わっていた!」という方が全体の4割。
一方、何とか乗り越えられる「更年期症状」を感じる人が6割。
そのうち半分が日常生活が困難で婦人科などで治療が必要な「更年期障害」を抱えているという状況です。
これが更年期のリアルです。
すべての人が重い症状に悩むわけではないので、必ずしも不安に思う必要はありません。
Q4. 男性にもある?更年期
A4.軽い症状が出る人も。まずはお互いを知ることから始めよう。
男性ホルモン(テストステロン)の減少で、やる気が起きない、朝立ちがないなどの症状はありますが、
ホルモンの減少は緩やかで、女性のように急激な心身の変化はないとされています。
大切なのは、互いの不調を知ることです。
更年期だからと言って特別に扱うのではなく、風邪などの不調と同じように接してみて。
パートナーが辛そうなときは、「大丈夫?」「出来ることある?」など、やさしい声かけを。
普段から、"お互いさま"の気持ちで、敬い合う関係性を築けると良いですね。
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Text by Tomoko Hirakawa
お話を伺ったのは......
【高尾美穂先生】
産婦人科医・医学博士・スポーツドクター。
女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。
文部科学省・国立スポーツ科学センター 女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバー。
長年ヨガを愛好し、多くのヨガインストラクターを指導。