正しいリテラシーを身につけ、日焼け負債を残さず美しい肌を手に入れましょう。
紫外線・ブルーライトについて、知られざるUVケアの知識について、正しいUVケアプロセスについて、銀座ケイスキンクリニック院長慶田朋子先生にお話を伺いました。
1.紫外線とブルーライト
太陽光線には、紫外線、可視光線、赤外線の3つがあります。
このうちケアできるのは、紫外線である、UV-A(波)とUV-B(波)です。
UV-Bは中波長で皮膚の表皮まで、UV-Aは長波長で真皮にまで到達します。
UV-Aの隣に位置するのは、可視光線である「ブルーライト」です。
これは、私たちの身近にあるパソコンやスマートフォンなどからも発せられる、可視光線の中で最も波長が短く、強いエネルギーを持つとされています。
紫外線は、屋内にも降り注ぐため、屋内外に関わらず、UVケアが必要です。
2.目からウロコ?UVケアのホントのところ
日焼け止めのSPF*数値は、2㎎/㎠を塗ることで得られます。この量は、顔にドーランを塗るような量です。
普段顔に塗る程度の量では、2割しか日焼け止めの効果を発揮しません。
そのために、正しい日焼け止めの塗り方を知る必要があります。
もちろん、大人だけではなく、子どもだってUVケアは欠かせません。
低年齢(3歳未満)のころからしっかりとUVケアを行う必要があります。
では次に、正しい日焼け止めの塗り方をご紹介します。
*SPF:UV-Bの防御効果を示す指標。
例えば、SPF50なら、肌に何も塗らない場合に比べて、肌が赤くなるまでの時間を50倍に延ばすことができる。
PA:UV-Aの防御効果を示す指標。
「+」が多くなるほど、肌に何も塗らない場合と比べて、肌が黒くなる時間を2~16倍以上に延ばすことができる。
3.今日からはじめる正しいUVケア
敏感肌だから、室内だから、マスクをしているから、UVケアをしなくても大丈夫......、ではありません。
それは美肌キープのルール違反です。今こそ、正しい日焼け止めの塗り方を身につけ、UVケア習慣を続けましょう。
POINT1:日焼け止めはミルフィーユ塗りを心がけよ
ドーラン塗りはできなくても、日焼け止めを重ねて塗ることで、効果を高めることができます。
下地クリーム、ファンデーション(BBクリーム)、パウダーなどを重ねていきます。
POINT2:手のひらスタンプで肌に密着させよ
日焼け止めは、額、あご、両頬、鼻に5点置きし、顔の中心から外側に向けて伸ばして塗ります。
力を入れて塗りこまなくてOK。仕上げは日焼け止めを密着させるイメージで、やさしく手のひらで押さえます。
首やデコルテもお忘れなく。
POINT3:マスクの下もUVケアを
「マスクをしているからUVケアはしなくて大丈夫」は妄信です。
マスク越しでも紫外線は肌に届き、気づいたら"マスク焼け"なんてことも。
マスクへの色移りが気になる場合は、ノンカラータイプの下地クリームを。
マスクと肌が触れる部分(頬、鼻やあごなど)は、こすれて落ちやすいので重点的に塗りましょう。
POINT4:2時間ごとに塗り直しを
日焼け止めは、汗やマスクによる摩擦などで簡単に落ちてしまいます。
「朝つけたからOK」ではなく、2時間ごとに塗り直しを心がけましょう。
また、できるだけ紫外線があたらないような服装(黒い服、帽子や日傘など)を心がけるのも〇です。
今からでも遅くありません。室内でも、屋外でも、UVケアはしっかりと。大人も子どもも、正しいUVケアを心がけていきましょう。
お話を伺ったのは...
【慶田朋子先生】
銀座ケイスキンクリニック院長。医学博士。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。日本レーザー医学会認定レーザー専門医。自らの肌トラブルの経験から、皮膚科医を志すように。著書「女医が教える、やってはいけない美容法33」(小学館)などがある。