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生物のHarmonization ニュージーランド マヌカハニーの旅

2016.10.20 TEXT by Kaoru Sasaki
マヌカが自生する丘にはあちらこちらに養蜂箱が置かれ、クリスマスから約4週間は白い花で一面が覆われます。

ハーモナイゼイションとは「調和」という意味です。私たちは、自然からさまざまな恩恵を受け、暮らしてきました。地球上には1000万以上の種類の生き物がいると考えられており、そうした生き物たちと、それらが生きる自然環境をあわせて「生態系」とよんでいます。植物が光合成で養分をつくり、それを動物が食べる。動物が死ぬと微生物が分解し、その養分を植物が取り入れる。生態系の中で、生き物はそれぞれに役割を担当しています。

スーパー蜂蜜「マヌカハニー」の産地、ニュージーランドを訪ねました。ヨーロッパ人が入植する以前からマヌカの木は自生し、ニュージーランドの自然に調和する植物です。言い換えればニュージーランドの自然を守る植物。まさにニュージーランドはハーモナイゼイションの聖地でした。

語り継がれた「癒しの木」

ニュージーランドは、遠い昔、ゴンドワナ大陸から切り離された歴史を持ち、以来、ユニークな動植物が独自の進化を遂げてきました。この国でしか見られない動植物が、たくさん生存します。マヌカの木もそのひとつで、島のあちこちに自生しています。クリスマス前後から約1ヶ月間の開花の時期には、山の一面が花で真っ白に埋め尽くされ、「ホワイトマウンテン」と呼ばれるほどです。
マヌカは先住民・マオリ族の人たちがこの地にやって来る前から生育していたと言われ、「マヌカ」とはマオリ語で「癒しの木」「復活の木」という意味です。彼らはマヌカの葉や樹皮を、日常には欠かせない万能薬として利用してきました。

スーパー蜂蜜──マヌカハニー

蜜蜂は見事な正六角形の巣房をつくり、そのひとつひとつの部屋に蜂蜜を蓄えます。蜂蜜がたっぷり入ると蜜ろうでフタされ、この蜜ろうのフタが、蜂蜜が出来たサイン。働き蜂の几帳面な一連の作業です。蜜ろうを傷つけると、黄金色のマヌカ蜂蜜がとろり。

  1. マヌカの自生するエリアでは、木陰に巣箱が置かれていました。じめじめせずに日当たりのよい、静かな場所を選びます。
  2. 二段構造の巣箱の下段の巣板。巣のひとつひとつで子育てが行われ、幼虫がサナギになってフタをします。
  3. 巣箱の下方から蜜蜂は出入りします。ここで羽をバタバタさせて巣箱の中の空気の入れ替え、温度調整もしています。
  4. 服は白色を。黒色はクマと間違えられ、蜂が襲ってくるそう。

Manuka
[マヌカ]Leptospermum scoparium

フトモモ科 常緑性低木
和名:ギョリュウバイ(近縁種)
樹高3~4m

生長が非常に早く、湿地帯、沿岸地域など湿り気のある日当たりのよい場所を好み自生する。近縁種はニュージーランドからオーストラリアにかけ約40種ある。和名のギョリュウバイは「御柳梅」「魚柳梅」などと書き、葉の形が柳に似ていること、花が梅に似ているところからその名があるといわれる。学名のscoparium は「ほうき状の」の意味。花は一重、八重があり、花の色も白色、ピンク、鮮紅色などがある。葉は互生で、長さ1~1.5cm、先端が尖り、堅い。

UMF ハニー協会
UMF = Unique Manuka Factor

マヌカハニーの魅力を熱く語るUMF ハニー協会ジョン会長

マヌカハニーには「UMF」という記号がつけられたものがあります。この記号は、マヌカハニーの価値の高さを示す数値で、1980年代後半、ニュージーランド国立ワイトカ大学のピーター・モラン博士が考案したものです。
UMF の数値はニュージーランドUMF ハニー協会にて認定が行われています。

オークランド、街の蜂蜜風景

ニュージーランド、特に北島は養蜂が盛んで、マヌカ以外にもたくさんの種類の蜂蜜があり、四季おりおり、ニュージーランド固有の花の蜂蜜もあります。そんな蜂蜜好きを満足させるハニーセンター。ここでは蜜蜂たちが巣の中でどんな作業をしているか、蜜蜂の生態を辿ることもできます。
もちろん街のスーパーの蜂蜜コーナーの棚も大きく、ニュージーランドの人たちが日常的に蜂蜜を使っていることがわかります。

Hannaさんに教わったマヌカハニーを楽しむレシピ


アンザックビスケット

マヌカスモークサーモン&クマラサラダ
マヌカハニー&オレンジヴィネグレット・ドレッシング

マヌカハニー&ジンジャー&レモン&ミントアイスティー

マヌカハニーのスペシャリスト、Hannaさんに教えていただいた「アンザックビスケット」はニュージーランドの伝統的なお菓子です。
アンザック Anzac とは「Australian and NewZealand Army Corps」の略で、第一次世界大戦の時、ニュージーランドとオーストラリア出身の志願兵で編成された軍隊です。
このビスケットは昔からホームメイドで親しまれてきたものですが、出兵した旦那様に奥様達が心をこめて焼き、無事を祈り戦地に送ったそうです。
なぜこのビスケットかというと、材料に卵などの腐りやすいものを材料に使っていないため、遠い戦地に送っても美味しく食べられたからだそうです。
その他、マヌカハニーを使ったレシピも教えていただきました。

PHOTOGRAPHS by Meguro-MEGURO.8

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