石けんレシピに植物油は欠かせませんが、中でも私がこだわって使用している油のひとつ、パームオイルを探りにボルネオ島のジャングルへ行ってきました。
生物多様性の島、ボルネオ
赤道直下、一億年の歴史を刻む世界最古の森ボルネオ。湿度100%気温30度の『熱帯雨林』は、多様な生物との巡り合いの場でした。私が見た本物の自然・ボルネオの熱帯雨林は、眩しすぎる程焦げつく太陽の光と、あたたかくも感じる有機質な動物の匂い、光を求め逞しく成長する植物の力が全身で感じられる場所でした。
熱帯雨林のジャングルを肌で感じて
熱帯雨林は、熱帯夜ではない!スコールのあるなしに関わらず、朝晩はとても心地よい快適気温。湿度も高くモイスチャー効果抜群。天然フェイシャルミストで喉もお肌も潤います。
弱々しく見える苔がパキパキした肌触り、植物のたくましさを感じます。
Red Palm
[パーム]Elaeis guineensis
ヤシ科
アブラヤシの実は果肉と種子に分け、果肉はそのまま圧搾しレッドパームオイルに。種子からはパーム核オイルを採ります。搾油したての熱々パームオイルからはフルーティな香りがします。
精製し、色が赤から白のパームオイルになります。
アブラヤシの収穫に挑戦!
プランテーションでは、私もアブラヤシの収穫に挑戦。5m以上の金属製カマも、30分かけようやく収穫した20㎏あるひと房も重い!ぎっしりとトラックに乗せるのはすべて手作業。果房も表面がギザギザと歯のようになっているため、とても危険で、運ぶのも一苦労です。実の劣化を防ぐため、収穫したら即日搾油のため工場へ運ばれます。
見れば見る程、母心湧き上がる オランウータンたちの姿
オランウータンとはオラン「人」ウータンが「森」「森の人」という意味。キナバタンガン川周辺には、密猟などにより親が亡くなり、孤児になってしまったオランウータンを保護し、森へ帰るための手助けをしているリハビリセンターがあります。
アブラヤシのプランテーションの開発により分断された森を繋ぐ「緑の回廊プロジェクト」は、個体数の減少を防ぎ生物多様性を保全する架け橋です。この架け橋は、日本から送られた廃棄消防ホースでできています。
ボルネオ象の親子と会う
ゾウは、一度出会った人を寿命である50歳まで覚えているそうです。匂いで一度会った人を忘れないのです。ただし人工的な作られた虫よけや香水の匂いは苦手で、感じると逃げてしまうそうです。群れではのどから出す低く響くうなり声と、ラッパの様な音、木を踏み倒す「バキバキッ」という音、食い散らかしている葉の青い匂いが漂っていました。
多様な生物とのめぐりあい
ボルネオの北東部、キナバタンガン川の流域は、ボルネオ象、テングザルなど島固有種の多い野生動物の宝庫です。川べりのジャングルからは常に鳥や動物たちの声が聞こえてきます。鳥のような声のテナガザル、日本で聞くのとはちょっと違う声のセミやカエル。新鮮で楽しい驚きの連続です。水辺なのに蚊やハエがいないのは、近くの洞窟に生息するコウモリが餌にしているから。すべての生き物が自然と共に共生し、私もその一部なんだと実感します。
旅の終わりに...
私は、ジャングルで「生物多様性」を実感し「共生」の大切さを学びました。
私達が作っている石けんの背景には、こんなに大きな世界(?)があることもみんなに伝えたいと思います。
本当の自然を、まずは知ることから、次に「共生」するために何が出来るか?一緒に考えていきたいと思います。