中米メキシコのグアダラハラは、今注目のスーパーフード「チアシード」、そしてテキーラの原料「アガベ」の産地として知られています。古くからメキシコの人々の生活を支えてきた自然の恵み、チアシードとアガベがどのように生活に取り入れられているか、現地を旅してきました。
古代アステカの時代から人々に恵みを与える神秘の作物
― チアシード ―
海外の有名モデルが愛用していることがメディアで取り上げられ、注目を浴びたチアシード。スーパーフードの中でも特に人気があります。日本から飛行機を乗り継ぎ、約1日半かかりメキシコ中部に位置するグアダラハラに到着。都市部から車で約2時間、チアシード畑は標高の高い場所にあります。広大な畑には、1メートルほどに成長した収穫間近のチアシードが、藤色の愛らしい花を咲かせていました。
小さくても大きなパワーを秘めたチアシード
Chia seed
[チアシード]Salvia hispanica
シソ科
チアシードの特徴的な栄養成分は、現代人に不足している「α-リノレン酸(オメガ3)」です。毎日の食事から積極的に摂る必要があります。
(チアシード11g(大さじ一杯)あたり)
- オメガ3系脂肪酸(α-リノレン酸):2.1g
- オメガ6系脂肪酸(リノール酸):0.7g
- 食物繊維:3.5g
- カルシウム:55.7mg
分析機関/(財)日本食品分析センター
※厚生労働省が定めるオメガ3系脂肪酸の1日あたりの食事摂取基準(女性:0.8~2.0g /男性:0.7~2.4g)
家庭料理にサッとひと振り、みんなが集まれば賑やかなパーティーに
タコスの具材にチアシードをサッとひと振り。無味無臭なので、いろいろな料理にさりげなく合わせるのもおすすめです。
※現地での一例です。チアシードは水などに15分程度置いてからお召し上がりください。
ハリスコの高原で受け継がれたアガベ
16世紀からテキーラの原料として、メキシコの経済を支えてきたアガベ。GI 値※が低い甘味料として先進国をはじめ、健康感度の高い人々に注目されています。
※GI値:Glycemic Index(グリセミック・インデックス)
食品ごとの血糖値の上昇度を表す数値。その数値が55以下の食材は、一般的に"低GI食品"とされる。アガベのGI値は17。
メキシコの代名詞、テキーラの原料「アガベ」
日本でも親しみのあるリキュール「テキーラ」の原料は、甘味料として使われている「アガベシロップ」と同じ、アガベからできています。アガベはアロエによく似ていて、葉は固く、トゲがあります。アガベが熟すまで約7、8年の歳月がかかります。
世代を超えて受け継がれる伝統的な収穫法
砂糖の代用に!アガベシロップは便利な甘味料
とても甘く、大学芋のタレのような甘さ。砂糖の代用品としてとても便利な甘味料です。いろいろな料理と相性がよく、煮物に使うとコクが出て美味しくなります!甘みが強いので量を調節することをおすすめします。
メキシコの生活に溶け込むチアシードとアガベ
農場の訪問が終わり、ハリスコ州の州都「グアダラハラ」の市場へ。街にはチアシードとアガベシロップが溢れていました。