今回は「血流」をテーマに、2回に渡って、漢方薬剤師の堀江昭佳先生にお話を伺いました。
「血」はすこやかな心と体の源
漢方の考えでは、「気」は新陳代謝、「血」は栄養ホルモン、「水」は体のうるおいと若々しさを表し、中でも、健康の基盤は血にあるとされています。
ぼくは漢方薬剤師として、およそ10年間で5万件以上の健康相談を受けてきましたが、血が足りていない人が多い。
女性は、生理があるため、初潮から閉経前まで、およそ40~120mlの経血による出血が毎月続きます。
仮に40年続くと、少なくても19リットル以上もの経血量に!
つまり、女性はデフォルトで血が足りていない、出血多量、貧血状態なのです。
血が不足すると、何となく調子が芳しくない不定愁訴、月経不順や更年期にまつわる不調などの原因に。
漢方では、こうした血が不足している状態を「血虚(けっきょ)」と言います。
健康の基盤である、血の不足を解消することがとても大切なのです。
川は「血管」、流れる水を「血液」だと思ってください。清流では、川に満々と水が流れていますよね。
血管にたっぷりの血が流れているのが、血流が良い望ましい状態です。
一方、血が不足すると、血液の流れも良くない......。血流不全の状態になってしまうのです。
血を増やすには安定したカラダ作りを
漢方では、「子宮は血の海」と例えられます。
本来であれば、子宮には満々と血がたたえられるべきですが、血が不足することで先述の不調に加え、PMSや子宮内膜症の一因にも。
これらを改善するためにも、「基礎」である「血流」を改善する必要があります。
例えば、マンション工事をイメージしてみてください。
土台が頼りないと、建物は途中で崩れてしまいますよね。土台をしっかりと築き、「基を正すこと」がとても大切です。
体に良いものをあれこれ試してみたり、あの医者この病院と、ドクターショッピングをする方がいますが、そもそも土台がしっかりしていないと、体が治療を受け入れられないのです。
女性の要とも言える子宮を十分な血液で満たすためにも、まずは「血流」を巡らせる土台となる体を築きましょう。
あなたの血流は大丈夫?
血流が悪くなりやすい3つの体質チェック
下記の中で、当てはまるものをチェック。一番チェックが多い番号があなたの体質タイプです。
①が多いあなたは、気虚(ききょ)タイプ
気が不足することで、気力、活力が不足しがち。
胃腸が弱いため、血だけでなくエネルギーも作られにくい。やる気が出ない、決めたことが続けられないことも。
② が多いあなたは、血虚(けっきょ)タイプ
血が不足することで、心が不安定になりがち。自分に自信がない、自己肯定感が低い傾向が。
髪の毛は、血の余り。抜け毛や乾燥の悩みは、血流が原因かも。
③が多いあなたは、 気滞・瘀血(きたい・おけつ)タイプ
気や血の巡りが悪くなることで、感情のコントロールが難しくなりがち。
朝起きられなかったり、イライラが原因で自責の念に駆られることも。
どのタイプも、血流が増えることで、心身が安定し、健やかな状態に。
次の「血流アップメソッド」で、血を増やすことから始めてみましょう。
次の記事、巡るカラダを手に入れる"堀江流"血流アップメソッドはこちら
Text by Tomoko Hirakawa
お話を伺ったのは......
【堀江昭佳先生】
漢方薬剤師/一般社団法人日本漢方薬膳協会代表理事。
出雲大社参道で約100年続く老舗漢方薬局の4代目。
著書は累計60万部の大ヒット。(2023年8月時点)別名義「堀ママ」のインスタグラムアカウントはフォロワー23.8万人と多くの支持を集めている。
最新著書は『弱った体と心を回復させる 血流ゼロトレ』(サンマーク出版)(※外部サイトへリンクします。)