子どもはもちろん、大人が読んでも心が動く、作品の魅力を紐解くため、あんびるやすこ先生にお話をお伺いしました。
-人の心を動かすことこそが魔法-
私は、イギリスが好きです。
以前、旅をしたとき、ロンドンから2時間ほど車を走らせたところで出合った、美しい田園風景は忘れられません。
イギリスでは、魔女や魔法の世界が描かれている作品が数多くありますが、私が子どもの頃、日本には、あまりありませんでした。
自分が読んでみたいと思う魔女の物語を書いてみたい、きっと私がおもしろいと思うものをおもしろいと感じてくれる子もいるのではないかしら......、そう思って、イギリスの美しい風景をモデルにして創作したのが、「魔法の庭ものがたり」です。
現代は科学の進歩が著しく、魔法のようなことも実現しています。でも、そうした科学的な、あるいは物語の中で出てくるような魔法を使わなくても、人の心を動かすことができる......それこそが、魔法なのだと感じています。
「魔法の庭ものがたり」に登場する主人公、ジャレットは人間の女の子なので、魔法を使うことができません。ですが、誰かの役に立ちたいと努める姿勢が周囲を動かしていきます。
人の心が動くのは、そこに情熱があるかどうか。
作品のテーマは、毎回変わりますが、人のために役立つこと、地域や人と人の関わりといった社会性を軸に物語を書き続けています。
物語には、様々なハーブやエッセンシャルオイルが登場しますが、私自身もそれらがとても好きです。
以前、生活の木メディカルハーブガーデン薬香草園で出版記念イベントを行ったとき、ガーデンで蚊に刺されたことがあって、スタッフの方がラベンダー精油を希釈した植物油を肌に塗ってくれて、かゆみが治まったことがあって......。この体験が忘れられず、いっそう生活に取り入れるようになりました。
でも、あまり詳しくなりすぎないようにして、知らない部分を憧れとして残しておき、ずっと知りたいと思う気持ちを大切にしたいと思っています。
-「魔法の庭シリーズ」は、子どもたちへのギフト-
読者の子どもたちが、実際にハーブやアロマに触れたり、手作りする機会が出来たらと、生活の木さんと話し、企画してくださって実現したのが、「魔法の庭シリーズ」です。
※現在は終売しております
この商品を監修する上で大切にしたのは、「子どもたちへのギフトにすること」。
子どもたちに喜んでもらえる商品を届けたい、そんな想いで時間をかけて監修しました。「魔法の庭ものがたり」を知っている子や、まだ知らない子にも、この商品を使ったことがきっかけで作品に興味を持ってもらえたら嬉しい。
読書を通し、知らない世界を知ることで、自分の世界を広げるとともに、想像力が自然と培われ、さらには相手の気持ちを推し量ることができるようになります。子どもたちには読書の楽しみも知って、豊かな心を育んでもらえたらと思います。
【あんびるやすこさん】
群馬県生まれ。児童文学作家・絵本作家。累計110万部を超える人気児童書「魔法の庭ものがたり」シリーズほか、「なんでも魔女商会」シリーズ、「ルルとララ」シリーズ、「ムーンヒルズ魔法宝石店」シリーズなどがあり、小学生女子を中心に絶大な支持を得ている。