-モノからコト、コトからココロへ。人生をゆたかにする香りの世界-
コンテストの審査員を務めたのは、アロマテラピービジネスの先駆者として、アロマテラピーの第一人者として、異なるフィールドでアロマテラピーというひとつの文化を日本に広めてきたふたり。フレグランスコンテスト2019の最優秀賞・Treeoflife賞受賞作品の結果発表とともに、2つの受賞作品へのコメントや、アロマテラピーの奥深い魅力を語ったインタヴューを公開します。
写真左:特別審査員 生活の木 代表取締役CEO 重永忠 写真右:最終審査委員長 AEAJ認定アロマテラピー・プロフェッショナル 佐々木薫
重永:今回は、250もの応募があったそうです。
佐々木:まあ、すごい。ということは、250もの旅があったということですね(テーマは「アロマで旅する世界の国」)。その想いを私達は拝見させていただいたというか、「拝香」させていただいたんですね。それはもう、大変贅沢なことであり、ありがたいという感謝の気持ちでいっぱいですね。
重永:そうですね。きっと作品のひとつひとつに、思い出や経験、その方の求めるものがあったり、人に伝えたいという自己表現があったんじゃないかと思います。審査をさせていただいて、幸せでした。
-それでは結果発表です!
最優秀賞
生活の木 大丸神戸店のお客様 川村千春様の作品
「セイロン島のライムティー」 テーマに選んだ国:スリランカ
写真:スリランカの朝もやイメージ
重永:香りを嗅いで目をつぶると、スリランカの朝もやのイメージが浮かびます。ブレンドには、ライムやシナモンなどスリランカで日常的に使われている香りが使用されているのですが、スリランカではこういった香調の香水をつける人が多いこともあって、スリランカの国民性が伝わってくるような感じがしました。作品は、ひとつのコンセプトを包括するブレンドとなっていて、まさに「セイロン島のライムティー」という風景が伝わってくる作品だと思います。
佐々木:こちらのブレンドの中には、柑橘系・スパイス系・樹脂系の香りがバランス良く調合されているのですが、そこにミントの香りが爽やかに加わって、たくさんの香りが上手くひとつにブレンドされています。私も何度もスリランカには足を運んでいますが、まるで香りの中で旅をしているような気分になりました。
生活の木 大丸札幌店のお客様 河野由香里様の作品
「ホット・スポット」 テーマに選んだ国:マダガスカル
写真:マダガスカル島のイメージ
重永:マダガスカル産のバニラが本当に上手に活かされている作品だと思いました。甘いバニラを中心に、スパイシーなクローブ、ほのかに甘いローズウッドなどが重なり、非常に濃厚な香りを感じました。
佐々木:マダガスカルをイメージして作られたということですが、私もマダガスカルを訪問したときは、他の国に行った時と比べて元気で気分が明るかったんです。なぜこんなに元気なんだろうと思っていて、ふと気がつくと、いつもそこにバニラやイランイランなどの甘い香りが漂っていて、甘い香りが人をいかに元気にするのかということをそこで改めて感じたんです。作品の香りから、その体験を思い出させていただきました。
-フレグランスの魅力について
重永:やはり、自分らしさを素直に表現することが大事ですね。心地よい香りで自分を表現して、同じ空間にいる誰かも一緒に心地良くなる。そんなコミュニケーションのツールとしても、今後、フレグランスデザインというのはますます必要になってくると思います。
-「旅」というテーマについて
佐々木:今回のコンテストは、「旅」というテーマでしたが、いかに皆さんが旅というものに、思い入れや思い出を持っていらっしゃるかがよく分かりました。それぞれの旅の中にある、香りに結び付くような記憶や思い出を、上手に表現されていたと思います。調香には、技術が必要ではありますが、それだけに頼るのではなく、大切なのは、皆が心地良いと感じる香りであることや、その心地よさを共有すること。そこにポイントを置くことは、フレグランスデザインをする上で、とても良い形かなと思います。
入賞された皆さま、おめでとうございました!すべての入賞作品はこちらから
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