一年の満月のなかでも、8月は「エサラ・ポーヤ」と呼ばれ、「ペラヘラ」祭りが行われます。
古都キャンディの町中を、仏陀の歯を神輿に乗せた煌びやかな象がパレードするこのお祭りは、
世界各国から旅行者・観光客を集めます。
ペラヘラ祭りが、スリランカで雨季がはじまる8月の満月の日に行われるのには、
ある言い伝えがあります。
仏の「歯」は、恵みの雨をもたらすとされており、仏歯が奉納されたアヌラーダプラやポロンナルワは、
仏歯の神秘的な力により雨がもたらされ、発展してきたというのです。
話は逸れるかもしれませんが、、私は信念や宗教もそうなのではないかと思うのです。
"雨降って地固まる"
仏歯によってもたらされた雨は、さらに人の信仰を強くする。
天から降る雨。神様は、人間にいろいろなチャレンジや試練を下します。
例えば、宗教の違いを突き付けられ、その先にある不和や困難を見せられたとき、
それでも、あなたは自分の信仰を捨てずにいられますか?
人が違うのは、信仰が違うのは、信じるものが違うのは、ひとりひとり体質も性格も体験も
違う人間だからこそ。
それを受け入れられたときにこそ、自分の信念が強固に、
自分の信仰が揺らぎないものに変わるのではないでしょうか。
アーユルヴェーダでは、水と地のふたつの要素をもつ「カパ」は
固まる、安定する、包容するという性質を持ちます。
スリランカ人の方が書かれた本にも、こうありました。
『栴檀の香も、伽羅の香も、ジャスミンの香りも、
風に逆らって広まることはありません。
けれど、良い行いをして 徳を積んできた人が放つ香りだけは、
風にも逆らってあらゆる方向に広まるのです。』
(スッターニパーダ 54、55)
「ブッダと歩く神秘の国スリランカ」より