日本はすっかり秋も深まり、木々も色付いて来ました。樹木の中にも、ヴァータ(風)のエネルギーが高まり、葉を落として、寒い冬に備えています。
インドやスリランカを発祥とするアーユルヴェーダ。その智慧が、はたして日本の気候や社会条件などにも適用できるのかと疑問に思う方もいるかもしれません。実はスリランカは、北海道の0.8倍という狭い国土の中にも、地域によって寒暖差もあれば、湿気や乾燥といった気候条件の違いが見られます。
スリランカの古都・キャンディは、中央高地の標高465mに位置する為、一年を通じて涼しく、10月~11月には雨がよく降り、気温も低くなります。その様な季節には、風邪を引かないように生姜やにんにく、スパイスなどをふんだんに使った民間療法が用いられ、日本の冬も参考になるような健康維持のためのアーユルヴェーディックな智慧があります。
11月・12月は、お肌の乾燥や手足の冷えに加え、師走に向けて気ぜわしくなります。これは、人間の体内だけでなく自然界のなかにも「空」と「風」のエネルギーが上昇し、5元素のバランスを乱す為です。その様なときにもアーユルヴェーダの智慧は役立ってくれるでしょう。
例えば、アーユルヴェーダでは「空」は音、「風」は触という感覚を通じて人間に影響を与え、心地よい音楽は心の「空」を埋め、温かく優しいマッサージは冷たい「風」を鎮めてくれると教えています。
今年もあっという間に一年が走り抜けそうになる不安を、あえてゆっくり、ハーブティーや温かいトリートメントを愉しむ時間に変えてみませんか。