檜(桧)/ひのきは日本をはじめアジア圏全般で、最高レベルの強度を持つと言われてきた、建材の一つです。
ヨーロッパ各地で、古くから建材として親しまれてきたサイプレスと同じ用途・意味合いで親しまれてきました。
高級建材として扱われてきた理由には下記のような条件を持つ上です。
●美しい光沢
カンナで仕上げを行うと、美しい光沢が現れるそう。
心材の木目は美しく、赤みがあり温もりを感じる質感です。
築年何百年以上も経つ、古来の神社仏閣にもヒノキは使用されています。
時の経過とともに、格調高い趣のある風合いが滲み出てきます。
●耐久性・耐水性
強度があり、耐朽性が高く、また加工しやすいと言われます。
熱伝導率が低い為住宅建材にも向き、油分が多いことからも水に強いとされます。
●防虫作用や、抗菌作用が期待できる
ひのきを原料としたシロアリ対策の薬剤が存在するほど、防虫性が実証されています。
また森林素材の特有成分「テルペン類」香気がリッチな為、抗菌作用にも優れていると言われます。
●芳香
日本の代表的な風物詩、どの季節にも似合う「ヒノキ風呂」。そのヒノキ風呂とはまさにこの香りの
ことを指すと言っても大げさではありません。ひのきの浴槽に湯が浸透することで、
濡れて匂う日本の癒しの代表的な香りです。
ヒノキ精油(Chamaecyparis obtusa)の香りを嗅ぐと、私はいつも小学校の時に行った寄宿学校を思い出します。
寝泊まりした木造の寄宿舎がその香りだったのか、キャンプファイヤーを始める夕方、心地よい風がその香りを運んできたのか...
5日間のお泊り遠足は非日常で、子供ながらこの国に生まれたんだということを、
ビジュアルから印象付けるものではなく、五感全てをフル活動させ浸透させられた5日間。
ヒノキを嗅ぐといつもそんな懐かしく、日本の自然な風景を想起します。
冒頭にも比較したサイプレスと、非常に似ている点もありながらやはりどこか違う。
ヒノキの香りの方が線が細く、静かで優しく、透明感があり、サイプレスほど硬くなく、また主張し過ぎない香り。
「本来あるべき姿」を思わせる規律正しさがあり、それを厳しくない態度で示してくれるような、
なんだかそんな香りです。
よく想像することがあります。
私たちが"生き物"から"人"へ成長を遂げる背景に、その国の風土を示すような象徴的な香りが、
もし華やかで艶やかなフローラルな香りだったら、もしくはもっと魔術的でエキゾチックなものだったら、
はたまたスパイシーで個性的なナッツの香りだったら、
きっとまた違う人間形成が成り立っていたかもな、と。
私はヒノキの香りを嗅ぐことで、「はぁ自分は日本人だなー」と感じられることを、
誇らしく、うれしく思います。
●おすすめ使用方法
ヒノキはぜひ、現代の住居空間に活用しましょう!
お部屋の環境芳香に、お風呂に数滴たらしてヒノキ風呂に、クローゼットにヒノキのおがくずを入れて、
ナチュラルな脱臭を図りましょう。心地よく感じる居住空間を作る手助けになる素材です。