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アロマブレンドラボラトリー エッセンシャルオイル

ミント

2017.07.03 TEXT by Keiichiro Tsuda (Perfumer)
薄荷(ハッカ)

お酒のカクテル「アルコール(酒)+その他の飲料または素材」

基酒(お酒・リキュール)となるものがあり、その基酒の風味に合わせて、別の副素材を混ぜ、
新しい一つの混合酒(カクテルドリンク)にする。
美味であることはもちろん、配合と割合が確立されると、イメージに合わせて名前がつけられたりして、
誰もが当たり前にそのカクテル名でオーダーしたり、市場でも商品化されたりしています。
この組み合わせ方や発想は、調香や香水と非常に似ている感じがします。

中でも私が初めて飲んだ時に感動したカクテル(割りもののお酒)が、ホワイトラムで作るモヒート。
胃が焼けそうになる甘ったるいラムに、ミントとライムをたっぷり入れ、ソーダで割る。
こっくりまったりしたラムリキュールを、対極の風味、切れ味に振り切らせるグリーンの素材たち。
ミントが主役かライムが主役か、やっぱりラム酒が主役だから成り立つのか、
この絶妙な混然一体感が素晴らしいハーモニーで、ハイテンションなラテンの国ならではの、
熱いノリにぴったりな愉快爽快なお酒です。

そのモヒートに大きな役割を果たすミントは、アロマでも言わずも知れたハーブのひとつ。
ミントの種類は野生ものも含め様々存在しますが、香料素材として精油が採られるものは大きく3つ。
ペパーミント(Mentha piperita)、スペアミント(Mentha spicata)、薄荷(Mentha arvensis)。
ペパーミントは適度な辛みに歯磨き粉で使用され。スぺミントは甘みが特徴的なことから菓子やガムに古くから使用されています。
薄荷はメントール含有が高いことからも、メントール(薄荷脳)が採られ、タバコのメンソールフレーバーなどに使用されます。
ミントはフレグランスに使用されることは少ないですが、世界的にも食品フレーバーやハウス洗浄料用に相当な量が生産されています。

アロマのブレンドでこれを"冷涼"に利用しない手はありません。
"海辺の心地よい風"、"夜のプールサイド"、"山の雪解け水のヒヤりとする冷たさ"など。
夏の元気な暑さを思う存分満喫するためにも、ぜひ想像しながら使用してほしい香りです。
感覚っておもしろいもので、
暖炉の炎が暖かく心地よいと感じるのは、外が寒さの厳しい冬だから。いうように、
きっと焼けるように甘いラム酒だからこそ、このミントが際立つんだと思います。

ベースに対局した存在があるからこそ、"それ"に心地よさを感じるものです。



●おすすめブレンド
ミントの香りは「辛く」「甘く」もあります。またハーバルな緑色が強い為、
ブレンドするとイランイランなどと同様、かなり主張する香り。
まず「辛み」を利用して、柑橘や同じようなハーブ素材と組み合わせてみましょう。
「甘み」を利用したブレンドで、有名な香水に「ミントとパチュリとバニラ」組み合わせたものがありますが、
これは少し高度な調香技です、またどこかでお話しできれば。


●おすすめミント活用法
ミントの苗はよく売っていたりしますが、あまりミントを大量に入れる料理は知られません。
料理のお飾りに使用するくらいだと思うのですが、
実はモヒートを作る上で、ミントの甘いシロップが必要になります。
グラニュー糖とお水、そこにミントの葉を入れ少し煮詰めると、甘いシロップにミントの清涼な香りが移ります。
このシロップをアイスティーに入れると簡単にアイスミントティーに早変わり。

私はこのシロップを作ってヨーグルトにかけて食べます。最高においしいです。
騙されたと思って、一度試してみてください。



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